歴史に観る日本の行く末

 小室直樹氏の『歴史に観る日本の行く末』を読んだ。1999年2月に出版された本だが、面白かった。小室作品でこれが集大成とも言えるような感じがした。小室氏が過去に語ってきた書物の紹介が節々にあり、小室哲学を観たとも言える。
 今回の作品は、小室氏の教育哲学、人間観、社会観が語られている。小室氏は、吉田松陰の信仰者であるというのが伝わってくる。幕末から明治を切り開いた人物に最も影響を与えた人物吉田松陰。何よりも読書家で、様々な文献通であり、活発な実践家であった。また、日本史上、偉大な人、浜口雄幸井上準之助高橋是清らも取り上げられており、大きな意味で、日本の歴史が少し分かった気になった。